HOME > TOPICS

「海辺の方言」出版・その後

舟屋の里老人クラブ連絡会の皆さんの力を結集した 「海辺の方言」
各方面から高い評価を受けられていると聞き、担当させて頂いた出版社としてとてもうれしく思います。
“出版・その後”をお聞きしました。


知事表彰、全国表彰


折戸嘉一氏

折戸 出版した次の年に、私たちの老人クラブの活動が評価されて「京都府知事表彰」となり、びっくりしました。個人の表彰は多いのですが団体の活動内容が評価されて表彰されるのはとても少なく、該当が無い場合もあります。ところが昨年は全国老人クラブ連合会よりの表彰となりました。
団体の場合、一般的には社会奉仕活動が主にその対象のようですが、私達の場合は田舎の方言を大切に扱いながら後世に伝承するために文集し、自費出版した事だと考えております。

本がとりもつすばらしい人とのご縁


千賀慶次氏

千賀 この本を皆で手分けして売ったわけですが、自信を持って説明し、多くの人に買ってもらいました。
本がきっかけで、大阪のお医者さんからうれしい手紙を頂きました。「司馬遼太郎だったら、これだけで大小説を書くだろう」と結んであります。お礼にすばらしい本を頂いたり、交流が広がりました。

我々にしか、今しかできないことだ


増井新助氏

増井 後世のためにも、今の子どもたちのためにもすごく意義あることで、絶妙のタイミングで出来たと思います。方言に愛情を持ち、惚れ込むことで発揮される力、まさに伝統の力、結集の力です。伊根の舟屋台でも、皆が資金を拠出してできたもので、今では1億円でも出来ない。
重要伝統的建造物群保存地区になったこともあり、この本を名刺代わりに使うと良いと思っております。

「おばあちゃん、でかしたなぁ」(孫より)


和久田幹夫氏

和久田 「昔のことを話してみよう」から始まり、ワイワイ楽しみながら「方言」を考えたことが良かったと思います。町からも補助を頂いたこともありがたかった。
どんどんメモ的に書いたものが集まるが、さて何を中心に、どう編集するのか迷った時期もありましたが、キーワードは「海」ということになり、勢いがつきました。舟の図を描く人、伊根・写友会の方々には、本格的に魚の撮影をしていただいたり、まさに大勢の力の結集です。
孫に「おばあちゃん、でかしたなぁ」と言われたり、出来てから益々自信となっているようです。老人は今の社会を作った功労者。人生経験で得た智恵を社会に返していく、このことが老人福祉法に書かれています。益々社会から尊敬される“年寄り”にならなければと思います。


―― 激動の時代を生き抜いた方々の智恵と勇気と行動力に、あらためて感動しました。